【外国人採用の基礎】「技人国」と「特定技能」の違いとは?自社に合う在留資格の選び方
企業の経営者様、採用担当者様、はじめまして。神戸で外国人材の雇用支援・ビザ申請サポートを行っている、行政書士オフィス・プラスワンです。
深刻な人手不足を背景に、「自社でも外国人を採用したい」というご相談をいただく機会が非常に増えています。その際、企業様が最初に直面する壁が「どの在留資格(ビザ)で採用すればいいのか?」という問題です。
就労できる在留資格には様々な種類がありますが、現在、企業の採用においてメインとなるのは「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)」と「特定技能(1号)」の2つです。
本日は、この2つの在留資格の決定的な違いと、自社の業務内容に合った選び方を入管法の実務的観点から分かりやすく解説します。
1. 「技術・人文知識・国際業務(技人国)」とは?
「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)は、いわゆるホワイトカラー(専門的・技術的な業務)に従事するための在留資格です。
- 主な職種例:ITエンジニア、機械設計、経理、マーケティング、通訳・翻訳、語学学校の講師など
- 最大の注意点:大学等で学んだ専攻内容と、実際の業務内容に関連性があることが厳しく審査されます。また、工場でのライン作業、飲食店のホールスタッフ、ホテルのベッドメイキングなどの「単純労働」に従事させることは法律で固く禁じられています。
2. 「特定技能(1号)」とは?
「特定技能」は、深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れるために2019年に新設された在留資格です。現場労働(ブルーカラー)が認められている点が最大の特徴です。
- 主な職種例:飲食料品製造業、外食業、介護、建設業、宿泊業、農業など(国が定めた特定産業分野に限る)
- 最大の注意点:外国人が「技能測定試験」と「日本語能力試験」に合格しているか、技能実習2号を良好に修了している必要があります。また、受入企業には外国人に対する「支援計画の策定・実施(生活サポートなど)」が義務付けられます。
3. 「技人国」と「特定技能」の比較表
実務上、採用担当者様が押さえておくべき違いを一覧表にまとめました。
| 比較項目 | 技術・人文知識・国際業務(技人国) | 特定技能(1号) |
| 業務の性質 | ホワイトカラー(専門的・技術的業務) | ブルーカラー(現場の技能業務) |
| 対象分野の制限 | 制限なし(※専攻と業務の関連性は必須) | 国が定めた特定産業分野のみ |
| 学歴要件 | 大卒、または日本の専門学校卒などが必要 | 学歴不問(※試験合格または技能実習修了が必要) |
| 日本語能力 | 法的な要件なし(※業務上必要な場合は審査対象) | N4相当以上(日常会話レベル)が必要 |
| 家族の帯同 | 配偶者や子供の帯同が可能(家族滞在ビザ) | 原則不可 |
| 企業側の支援義務 | なし(一般的な社員と同様の労務管理) | あり(生活支援、定期面談などの実施義務) |
4. 自社にはどちらが適しているか?(ケーススタディ)
実際に採用を進める際は、「その外国人に自社で何の仕事をさせるか」から逆算してビザを決定します。
- 【ケースA】自社開発のソフトウェアのプログラミングを任せたい→ 「技人国」が適しています。情報工学などを専攻した大学卒の外国人材を採用します。
- 【ケースB】自社工場の製造ラインに入り、食品の加工業務を任せたい→ 「技人国」では許可が下りません。飲食料品製造業の「特定技能」試験に合格した外国人材を採用し、支援体制を整える必要があります。
おわりに:迷ったら専門家へご相談を
「現場での研修期間を経てから、本社で通訳やマーケティングをさせたい」といった複合的なケースでは、入管法の解釈や入社後のキャリアプランの設計が非常に複雑になります。誤った業務に就かせてしまうと、企業側が「不法就労助長罪」に問われるリスクもあるため注意が必要です。
行政書士オフィス・プラスワンは、ビザ申請の専門家であると同時に、特定技能外国人の支援を企業に代わって行うことができる「登録支援機関」です。
「この業務内容でビザは下りるか?」「特定技能の支援を丸ごと委託したい」といったご相談がございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。適法かつスムーズな外国人雇用の実現をサポートいたします。


